ゼロゼロ融資は、新型コロナウイルスの影響で経済的困難に直面した中小企業や個人事業主を支援するための特別な融資制度です。この制度は、無利子で担保も不要という特徴があり、多くの企業にとって大きな助けとなりました。
しかし、返済が始まると負担が増し、返済が困難になるリスクもあります。
ここでは、ゼロゼロ融資の返済が難しくなった場合に直面するリスクと、その対処法を解説します。

ゼロゼロ融資の概要

ゼロゼロ融資は、2020年に新型コロナウイルスの影響を受けた企業を救済するために導入された政府主導の融資制度です。
通常の融資と異なり、利息が一定期間免除され、担保も不要です。
この特例措置は、特に経済的打撃を受けた企業にとって有益でしたが、返済義務があるため、無利子期間が終了した後の経営状況を慎重に見極めることが重要です。

ゼロゼロ融資の返済に不安を抱える企業の現状

多くの企業がゼロゼロ融資を利用しましたが、返済開始を前に不安を抱える企業も少なくありません。
東京商工リサーチの調査によると、ゼロゼロ融資の返済に不安を感じる企業は約3割に上ります。
特に資材費やエネルギーコストの高騰が影響し、売上が回復しない企業にとって返済開始が大きな負担となっています。

ゼロゼロ融資を返済しないとどうなる?

返済を怠ることは企業にとって重大なリスクを伴います。返済を滞らせることで以下のリスクが発生します。

1. 支払督促を受ける
返済期日を過ぎると、金融機関から電話連絡や督促状が届きます。遅延損害金や信用情報への影響が生じるため、迅速な対応が必要です。

2. 代位弁済が行われる
代位弁済は、保証会社が借り手に代わって返済することです。これにより、一括返済が求められるため、返済計画に大きな影響を及ぼします。

3. 訴訟に発展する可能性
返済が滞った場合、保証会社は訴訟を起こすことがあります。裁判所での対応が必要となり、判決によっては一括返済が強制されることになります。

4. 強制執行による財産差し押さえ
裁判所が保証会社の主張を認めた場合、強制執行が行われ、現金や不動産、自動車などの財産が差し押さえられる可能性があります。事業の運営に支障が出ることが懸念されます。

ゼロゼロ融資の返済が困難な場合の対処法

ゼロゼロ融資の返済が難しい場合、早めに対策を講じることが重要です。以下の方法で解決策を見つけることができます。

1. 現状の確認と計画的な見直し
まず、現状の債務状況や資金繰りを正確に把握しましょう。借入金残高、毎月の返済額、売上見通しを確認し、資産状況も整理します。これにより、返済の可能性を判断する材料が得られます。

2. 専門家に相談する
自分で返済計画を立てられない場合、税理士や弁護士などの専門家に相談することを検討しましょう。顧問税理士や行政機関の窓口も利用できます。

3. コロナ借換保証の活用
返済が困難な場合は、「コロナ借換保証」を利用することも選択肢のひとつです。この保証制度では、借入れ時の信用保証料が引き下げられ、負担軽減のための支援が受けられます。

4. 返済条件の変更交渉
借入れした金融機関に対して返済条件の変更をお願いすることも有効です。返済計画のリスケジュール、据置期間の延長、返済額の減額など、柔軟な対応を金融機関に相談しましょう。

5. 任意売却やファクタリング
不動産の任意売却や売掛債権のファクタリングを活用することで、資金を調達できます。負債が増えないため、資金繰りの改善が期待できます。

6. 企業再生・民事再生
債務超過状態の企業は、企業再生や民事再生を検討しましょう。事業を継続しながら債務整理を行う方法です。

7. 最終手段・法人破産
どうしても返済が難しい場合は、法人破産を検討することも必要です。経営悪化から解放されることで、新たなスタートを切ることができます。

まとめ

ゼロゼロ融資は多くの企業にとって大きな支えとなりましたが、返済を怠ると深刻なリスクが伴います。
返済が困難な場合は、早めに現状を確認し、専門家に相談したり、返済条件の変更を交渉したりすることが大切です。適切に対応することで、事業の安定的な運営を維持し、リスクを回避することができます。