
新事業進出補助金とは?
新事業進出補助金は、中小企業や個人事業主が新たな事業分野に進出する際に利用できる支援制度です。事業再構築補助金の後継として設立され、総予算は1,500億円を予定しています。
この補助金は、企業が新市場や高付加価値事業に挑戦し、企業規模の拡大や生産性向上、そして賃上げを促進することを目的としています。
補助金の特徴と概要
この制度は、中小企業や個人事業主が既存事業と異なる新市場や分野に進出するための設備投資を支援します。
ただし、大企業やその傘下にある「見なし大企業」は対象外です。中堅企業の基準は、常時雇用する従業員数が2,000人以下となっています。
補助金額と補助率の概要
支給金額と補助率は、企業規模に応じて異なります。主な金額と条件は以下の通りです:
従業員数 | 補助金額(最大) |
---|---|
20人以下 | 2,500万円(3,000万円) |
21~50人 | 4,000万円(5,000万円) |
51~100人 | 5,500万円(7,000万円) |
101人以上 | 7,000万円(9,000万円) |
- 補助率:基本は1/2、小規模事業者や賃上げ要件を満たした場合は2/3が適用。
- 採択率:35%~40%程度が想定されています。
要件と条件
補助金を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります:
- 新製品・新サービスの開発 × 新規顧客層の開拓。
- 付加価値額の年平均4%以上の増加。
- 給与総額の年平均2.5%以上増、または一人あたりの給与成長率が地域の最低賃金成長率を上回る。
- 最低賃金を30円以上引き上げること。
未達成の場合、補助金の一部返還が求められる場合がありますが、天災や赤字経営の場合は免除が検討されることがあります。
採択されやすい事例
以下の事例は、これまでの採択傾向に基づいています:
- 製造業:既存の技術を転用した医療機器部品の製造や、ドローンの部品生産への進出。
- 食品業:和菓子製造業が冷凍和菓子を海外展開するなど、伝統と革新を融合させた取り組み。
- 建設業:農業資材の製造や仮設住宅の製造。
- サービス業:AR体験イベントの提供やDXを活用したソフトウェアの開発。
- 小売業:フードロス削減を目的としたジュース加工。
補助対象経費
以下の費用が補助対象です:
- 建物費:生産施設や販売施設の建設・改修費用。
- 機械装置費:設備や工具の購入・据付費用。
- ソフトウェア費:専用ソフトウェアの購入や開発費用。
スケジュールと準備方法
公募スケジュールは次の通りです:
- 第1回公募:2025年4月
- 第2回公募:2025年6月~7月
- 第3回公募:2025年9月~10月
採択率を高めるためには、以下の準備が有効です:
- 財務状況の改善とスコア向上(例:ローカルベンチマーク評価)。
- 賃上げ計画の具体化。
- AIやIoTなどの新技術導入で競合と差別化。
- 採択事例に近い方向性を設定。
注意点
補助事業の実施には以下の点に注意してください:
- スケジュール管理:交付決定から事業完了までの計画は余裕を持つこと。
- 持続的な報告義務:事業完了後も成果報告を求められる場合がある。
- 補助対象外経費を含めないよう事前に確認。
まとめ
新事業進出補助金は、中小企業が新たな市場で成長を目指すための強力な支援制度です。要件をしっかり把握し、準備を整え、計画的な進出を図りましょう。
この制度を活用することで、企業の未来の可能性を広げる大きな一歩となるでしょう。