
前回は、現場工数管理と人件費コントロールについて解説しました。
最終回となる今回は、建設業の粗利を大きく左右するもう一つの要素、
外注費・協力会社費のコントロールに踏み込みます。
建設業において、外注費は
- 工事規模が大きいほど増える
- 原価の大半を占める
- 変動しやすい
という特徴を持ちます。
ここを管理できなければ、
粗利改善は完成しません。
なぜ外注費が膨らむのか
外注費が想定より膨らむ原因は、次のようなものです。
- 単価改定が反映されていない
- 繁忙期の急な発注
- 現場の追加依頼
- 曖昧な仕様のまま発注
特に多いのが、
見積と実際の発注内容がズレているケースです。
このズレが、粗利を静かに削ります。
協力会社との関係は「価格交渉」だけではない
外注費の管理というと、
単価を下げることをイメージしがちですが、
本質はそこではありません。
重要なのは、
- 役割分担の明確化
- 工程のすり合わせ
- 作業範囲の明確化
- 追加発生時のルール
です。
価格を下げることだけに注力すると、
品質低下や関係悪化につながります。
原価設計という考え方
外注費管理で重要なのは、
「都度交渉」ではなく、原価設計です。
- この工事は外注比率を何%にするか
- 自社施工とのバランスはどうするか
- 協力会社を固定化するか分散するか
こうした設計思想がないと、
場当たり的な発注になります。
外注費コントロールの3つの実践策
① 協力会社別の採算を把握する
- 単価
- 工数
- 手戻り頻度
- 品質安定度
これらを比較することで、
実質的なコスト差が見えます。
② 作業範囲を明文化する
曖昧な指示は、
追加請求やトラブルの元になります。
- どこまでが基本工事か
- 追加扱いは何か
を事前に明確にするだけで、
コストは安定します。
③ パートナーとしての関係構築
短期的な単価交渉よりも、
- 継続発注
- 情報共有
- 工程改善提案
など、協力会社を巻き込んだ改善の方が、
長期的な粗利向上につながります。
協力会社依存リスクを理解する
特定の協力会社に依存しすぎると、
- 単価上昇
- スケジュール制約
- 交渉力低下
といったリスクが生まれます。
選択肢を持つことが、
原価コントロールの前提です。
よくある失敗例
外注費管理でよくある失敗は次のとおりです。
- 単価だけで判断する
- 発注時に条件を曖昧にする
- 工事完了後に精算トラブル
- 協力会社を敵視する
外注費管理は、
対立ではなく設計です。
まとめ:利益は「受注後」ではなく「設計段階」で守る
建設業の収益改善は、
- 見積
- 追加工事回収
- 工数管理
- 外注費設計
この4つが揃って初めて完成します。
外注費はコストですが、
同時に利益を生むパートナーでもあります。
- 役割を明確にする
- 条件を整理する
- 採算を把握する
これだけで、
粗利は安定します。

