― 受注を増やしても儲からない構造から抜け出す ―

建設業は、

  • 仕事はある
  • 現場は忙しい
  • 受注残もそれなりにある

にもかかわらず、

  • 利益が残らない
  • 資金繰りが不安定
  • 人が定着しない

という悩みを抱える企業が非常に多い業界です。

その原因は、粗利構造が現場任せになっていることにあります。


なぜ建設業は「忙しいのに儲からない」のか

建設業でよく見られる状況があります。

  • 受注額は増えている
  • 工事は途切れない
  • 現場はフル稼働

それでも利益が出ない。

この理由は単純です。
利益が出ない工事も、同じように全力でやっているからです。

建設業では、

  • 見積時点の甘さ
  • 追加工事の未回収
  • 工期延長による人件費増
  • 外注費の増加

といった要因で、
当初想定していた粗利が簡単に崩れます。


建設業の粗利は「工事単位」で見る

建設業の収益改善で最も重要なのは、
工事ごとに粗利を把握することです。

にもかかわらず、実際には、

  • 月次では黒字
  • 年間ではなんとなく黒字

という把握にとどまっているケースが多く、
どの工事が儲かり、どの工事が足を引っ張ったか
が見えていません。

建設業では、

  • 工事Aは大幅黒字
  • 工事Bは赤字
  • 工事Cはトントン

ということが普通に起こります。

これを混ぜて見てしまうと、
判断を誤ります。


見積が利益を決め、現場が利益を削る

建設業の粗利は、

  • 見積段階でほぼ決まり
  • 現場で削られる

という構造を持っています。

見積時点で、

  • 工数が甘い
  • 外注費を低く見積もっている
  • 予備費を見ていない

と、その工事は
スタート時点で赤字予備軍になります。

一方、現場では、

  • 仕様変更
  • 追加工事
  • 手戻り
  • 天候・段取り遅れ

によって、
人件費と外注費が膨らみ、
粗利が削られていきます。


建設業で最初にやるべき粗利改善の一手

建設業の収益改善で最初にやるべきことは、
次の一点に尽きます。

工事別に「予定粗利」と「実績粗利」を出すこと。

  • 見積時の想定粗利
  • 実際に終わった後の粗利

この差を把握するだけで、

  • どこでズレたのか
  • 見積が悪かったのか
  • 現場管理の問題か

が明確になります。

完璧な原価計算は不要です。
比較できる形で数字を出すことが重要です。


「仕事を断れない」は構造の問題

建設業の経営者から、よくこんな声を聞きます。

  • 元請との関係がある
  • 仕事を断ると次が来ない
  • 人が遊ぶのが怖い

しかし実際には、

  • 利益が出ない工事
  • 手間だけかかる工事
  • 追加が回収できない工事

を続けることで、
会社の体力は確実に削られます。

断れないのではなく、
断る基準がないだけ、というケースがほとんどです。


建設業の粗利改善は「選別」から始まる

建設業においても、
すべての工事を平等に扱う必要はありません。

  • 利益が出る工事
  • 改善すれば利益が出る工事
  • 構造的に厳しい工事

を分けて考える必要があります。

特に、

  • 小規模だが手間が多い工事
  • 価格交渉余地がない工事
  • 追加が多発する工事

は、見直し対象です。


まとめ:建設業の収益改善は「工事別粗利」が起点

建設業の収益改善は、

  • 受注を増やすこと
  • 現場を回すこと

ではありません。

どの工事で、どれだけ粗利が出ているか。
ここを把握し、判断に使うことがすべてです。

  • 工事別粗利を出す
  • 見積と実績の差を見る
  • 利益が出ない工事を見直す

この積み重ねが、
建設業の利益体質を作ります。