
―「最後が詰まる工場」から脱却した現場改革 ―
製造業の現場では、加工や組立の改善が進んでも、
最終工程(検査・包装・出荷)で滞るケースが少なくありません。
- 加工は終わっているのに出荷できない
- 検査待ち・包装待ちが発生する
- 人手が足りず残業が常態化する
こうした状態は、売上機会の損失だけでなく、
現場の疲弊にも直結します。
本記事では、検査から包装までを一体化したラインを構築し、省力化と出荷安定を実現した製造業の事例をもとに、一般型で評価された考え方を整理します。
1.導入前の課題|「作れているのに売れない」状態
この事業者は、一定量の量産が可能な加工設備を持つ製造業です。
ところが、次のような課題を抱えていました。
- 検査工程が人手依存で処理能力が低い
- 包装作業が手作業中心で属人化
- 出荷前工程に人が集中し、残業が増加
- 最終工程がボトルネックとなり、製造量を抑制
結果として、
加工能力ではなく、最終工程が売上上限を決めている状態
に陥っていました。
2.省力化の視点|「分断された工程」がムダを生む
この事業者が注目したのは、
検査・包装・出荷が別々の工程として存在していることでした。
工程を分解すると、
- 検査 → 一時置き
- 包装 → 再移動
- 出荷準備 → 手待ち
といった工程間の待ち・移動・滞留が発生していました。
ここでの本質は、
作業そのものより、工程の分断が人手を増やしている
という点です。
3.導入した投資内容|検査〜包装の一貫ライン
この事業者が導入したのは、
検査工程と包装工程を連動させた一貫ラインです。
具体的には、
- 自動検査装置による合否判定
- 合格品のみ自動で包装工程へ搬送
- 包装・ラベル貼付までを連続処理
- 出荷単位で自動集約
といった構成で、
人が介在しなくても流れる最終工程を構築しています。
一般型で評価されやすいのは、
- なぜ一貫化が必要なのか
- なぜ部分改善では足りないのか
- 省力化と品質維持が両立できる理由
を工程視点で説明できている点です。
4.導入後の効果|出荷能力が経営の制約でなくなった
一貫ライン化によって、次の効果が生まれました。
- 検査・包装要員の削減
- 出荷処理能力の大幅向上
- 残業時間の削減
- 出荷遅延リスクの解消
- 現場負担の平準化
特に重要なのは、
「出せないから作らない」という制約がなくなったこと
です。
省力化によって、
工場全体の生産計画が安定し、売上機会を逃さない体制が整いました。
5.なぜこの事例は採択されたのか
評価されたポイントは次の3点です。
① 最終工程を経営課題として捉えている
出荷能力=売上能力
という整理ができている。
② 投資効果が明確
人員削減だけでなく、売上機会創出につながっている。
③ 品質と効率の両立
自動検査を組み込むことで品質担保を説明できている。
6.製造業が学ぶべきポイント
この事例から学べるポイントは明確です。
- 改善は「最後の工程」から効くことがある
- 一貫化は最大の省力化策
- 出荷能力は経営戦略の一部
一般型では、
工程全体を俯瞰した省力化設計
が強く評価されます。


