飲食業はコロナ後の深刻な人手不足業界の代表であり、
省力化補助金の政策目的とフィットした業種です。

厨房やホールの多くの工程が 「人力依存+負荷大+ミス発生」 のため、
自動化・DXによる効果が明確に数字で出せるのが強み。

本記事では、採択されやすい設備と、その効果の出し方をまとめます。


■ 成功パターン①

厨房の調理工程自動化(フライヤー/コンロ/下ごしらえ)

▼典型的な課題

  • 熟練者依存
  • 温度・加熱ムラ
  • 火傷などの労災リスク
  • 仕込み時間が膨大

▼採択されやすい設備

  • 自動フライヤー
  • 自動回転釜
  • 自動切裁機(野菜・肉)
  • 自動温度制御システム

▼効果例

  • 調理時間:5分 → 1.5分
  • スタッフ:2名 → 1名
  • 安全性向上(労災防止)

工程標準化+安全性改善 は審査官の評価が高い領域です。


■ 成功パターン②

洗浄工程の全自動化(食洗機など)

飲食業でもっとも「潜在的にムダな時間」が多い工程は洗浄です。

▼採択されやすい設備

  • 全自動食器洗浄機
  • 食洗機前処理機
  • グリストラップ自動洗浄

▼効果例

  • 洗浄時間:1時間 → 10分
  • 深夜残業削減(月40時間以上)
  • 人件費削減と衛生レベル向上

洗浄負荷の削減は、省力化効果が最大級です。


■ 成功パターン③

配膳ロボット導入によるホール業務削減

外食チェーンで採択例多数!

▼典型的な課題

  • 配膳でホール業務が圧迫
  • パート採用が困難
  • 昼夜で負荷が大幅に変動

▼効果例

  • 配膳運搬:▲60〜70%
  • 新人育成時間:3日 → 1時間
  • 客単価UP(接客時間の確保)

「接客質の向上」も審査官に刺さるポイントです。


■ 成功パターン④

オーダー/会計のDX(注文〜会計無人化)

注文・会計・会計締めの工数を削減。

▼採択されやすい設備

  • タブレット注文端末
  • モバイルオーダー
  • セルフレジ
  • 自動釣銭機

▼効果の出し方

  • 注文ミスゼロ
  • 会計:1分 → 15秒
  • レジ担当:1名削減
  • 会計締め作業:30分 → 5分

厨房改善とセットで効果を見せられるのが強い。


■ 成功パターン⑤

仕込み工程の自動化(食材加工)

総菜・パン・弁当などの業態で有効。

▼採択されやすい設備

  • 真空包装機
  • 自動計量器
  • 自動混合・成形機
  • カット野菜自動処理

▼効果例

  • 仕込み作業:▲50〜70%
  • 廃棄率:▲30%
  • 人員確保の安定化

人手不足の解消×品質安定 の両立が重要です。


■ 飲食業が採択される計画書の特徴(まとめ)

✔ 審査官が評価するポイント

  1. 省力化による工数削減が大きい(数値で示す)
  2. 誰でもできる作業に標準化(属人化解消)
  3. 安全性・衛生性の向上
  4. 売上機会損失の防止(顧客回転率UP)
  5. 賃上げ要件の根拠(①or②+③)を確実に説明

飲食業は「現場負荷の大きさ」が明確なため、
効果の根拠さえ正しく書けば、高確率で採択を目指せます。