
中小企業省力化投資補助金(一般型)は、
事業計画書の完成度によって採択が大きく分かれます。
採択企業には共通点がある一方で、
不採択になる事業計画書にも“典型的なパターン”が存在します。
この記事では、
過去の不採択事例・審査コメント・採択結果分析から整理した、
“絶対にやってはいけない”NG計画書10パターンを公開します。
あなたの申請書に同じ落とし穴がないか、
ぜひチェックしながら読み進めてください。
❌ NG①:「最新設備を導入したい」が目的になっている
最も多い不採択パターン。
文章例:
「最新のロボットを導入して生産性を上げたい」
審査官の反応:
→ “それ、補助金ではなくリースでいいのでは?”
✔ 回避ポイント
目的は“設備の導入”ではなく、“課題解決”であるべき。
×:最新機械を入れる
○:属人化・品質バラつきを解決するために設備が必要
❌ NG②:課題が数字で説明されていない
文章例:
「人手不足で生産性が低く困っている」
審査官の反応:
→ “困っていることは分かったが、どれくらい?”
✔ 回避ポイント
最低限、次の3つの数字は必須
- 作業時間
- 残業時間
- 不良率
❌ NG③:設備説明が“メーカーのカタログ文章”
文章例:
「AI画像認識と高精度制御機能を搭載した最新設備です」
審査官の反応:
→ “で、御社の課題とどう関係するの?”
✔ 回避ポイント
設備の機能ではなく、
自社の課題との“ひも付け”が最重要。
❌ NG④:省力化と賃上げのつながりが書かれていない
文章例:
「効率化により売上増加と賃上げを図る」
審査官の反応:
→ “どうやって? 根拠は?”
✔ 回避ポイント
効果 → 利益 → 賃上げ の因果を示す
省力化で160時間削減
→ 新規受注に充当
→ 粗利+380万円
→ 基本給2%UPを実行可能
❌ NG⑤:数値根拠が「ざっくり」している
文章例:
「およそ30%改善できる見込み」
審査官:
→ “なぜ30%?”
✔ 回避ポイント
Before→Afterを明確に書く
Before:45分/個
After:25分/個(▲44%)
❌ NG⑥:導入後の運用体制が弱すぎる
文章例:
「設備導入後は現場で対応する」
審査官:
→ “誰が、どうやって?”
✔ 回避ポイント
- 教育計画
- 現場責任者
- 操作ルール
- 点検スケジュール
を明記する。
❌ NG⑦:設備の費用対効果が書かれていない
文章例:
「効率化で利益が増える」
審査官:
→ “どれくらい増えるの?”
✔ 回避ポイント
削減時間 × 時給
増産 × 粗利率
で数字を作る。
❌ NG⑧:賃上げの実行計画が曖昧
文章例:
「賃上げを検討していく」
審査官:
→ “実現できる根拠がない”
✔ 回避ポイント
- 年2%
- 手当の増額
- ベースアップ
などを具体化。
❌ NG⑨:「外注丸投げ型」の計画書
文章例:
「支援機関に作成してもらった計画書です」
審査官:
→ “経営者の意思が見えない”
✔ 回避ポイント
- 経営者コメント
- 方針の明記
- 経営者自身の関与
が不可欠。
❌ NG⑩:スケジュールが非現実的
文章例:
「契約→導入→稼働を1ヶ月で完了」
審査官:
→ “実現不可能”
✔ 回避ポイント
- 納期
- 設置
- 試運転
- 教育期間
を考慮し、3〜6ヶ月の現実的な工程に。
📌 まとめ:NGを避ければ採択率は一気に上がる
不採択になる計画書は、
文章が悪いのではなく、構造が悪い。
採択企業と比較すると、
以下の3つが決定的に不足しています。
★ 不採択企業に欠けているポイント
① 課題の数字(Before→After)
② 設備との結び付き
③ 賃上げの根拠
この3つを潰すだけで、
計画書の評価は劇的に変わります。


