人手不足・生産性向上に直結する投資先とは?

食品メーカーが設備投資を考える際、悩むのが
「どこから手を付けるべきか?」
という点です。

実は食品工場には、
投資額の割に効果が出やすい設備 が明確に存在します。

本記事では、多くの現場改善実績から見た
ROI(投資回収期間)が短い設備をランキング形式で紹介します。


第1位:包装機(自動包装・半自動包装)

食品工場で最も人手がかかる工程は包装です。
ここを自動化するだけで、
年間300万〜800万円以上の人件費改善が見込めます。

効果の例

・3名 → 1名体制へ
・生産能力が1.5〜2倍
・ミス・破袋が減少
・残業減少で労働環境が改善

投資額目安:300万〜1,500万円
回収期間:1〜3年

食品工場のROI改善=包装工程改善と言っていいほど、
投資効果の大きい工程です。


第2位:計量・充填機(手充填 → 自動化)

食品加工で避けて通れない「計量」。
ここを自動化するだけで、
歩留まり改善(数%でも大きい)+工数削減が可能です。

主な効果

・手作業 2人 → 1人
・内容量のバラツキ解消
・ロス減少で利益が上がる
・速度が安定し計画生産が可能に

投資額目安:200万〜1,500万円
回収期間:1.5〜3年

とくに粘性のある食品は効果が大きく出ます。


第3位:検査機器(X線検査機・金属探知機)

ROIだけでなく、
・クレーム防止
・HACCP強化
・大手取引先との取引維持
などの効果も期待できます。

主な効果

・検査員1名減
・異物混入リスク低減
・トレーサビリティ強化
・ブランド保護に直結

投資額目安:400万〜2,000万円
回収期間:2〜4年

間接的な効果が非常に大きい設備です。


第4位:箱詰め・仕分けロボット(パレタイズ含む)

・高齢化で特に問題が出ている工程
・力仕事、単純作業が多くケガのリスクあり

主な効果

・パート2名 → 1名
・作業者の負担軽減
・出荷能力UP
・採用のハードルが下がる

投資額目安:500万〜2,500万円
回収期間:3〜5年

人材確保が難しい企業におすすめです。


第5位:冷却工程の自動化(スパイラル冷却など)

生産ラインの流れを止める代表工程。
ここが改善されるとライン全体が滑らかになります。

主な効果

・仕掛在庫が消える
・工程間の詰まりが解消
・品質安定(菌増殖抑制)

投資額目安:1,000万〜5,000万円
回収期間:3〜6年

包装と併せて検討するケースが多いです。


ランキングをまとめると…

順位設備効果投資回収の期待度
1位包装機人手削減+能力UP★★★★★
2位計量・充填機工数削減+歩留まり改善★★★★☆
3位検査機器労務改善+品質向上★★★★☆
4位箱詰め・仕分けロボット労務改善+採用リスク対策★★★☆☆
5位冷却工程自動化流れ改善+品質向上★★★☆☆

食品工場の場合、
工場全体の生産性を決めるのは包装ライン
であることが非常に多いため、
包装工程の改善は最優先と考えてよいでしょう。


銀行・補助金の評価も高い投資が中心

いずれも

・生産性向上
・人手不足対応
・品質改善

が明確なため、
銀行融資や補助金(省力化補助金など)でも
高評価されやすい設備です。


結論:投資先に迷ったら「包装」から

ROIを最大化したいなら、以下の順番が基本です。

包装 → 計量・充填 → 検査 → 箱詰め

設備メーカーの言いなりではなく、
工程分析に基づいて順番を決めることが重要です。