「システムを導入したが、現場が使いにくいと言って結局使われなくなった」
「開発が進むにつれて『あれも必要、これも必要』と追加費用が膨らんでしまった」

システム開発におけるこうした失敗の9割は、開発前の「要件定義」の不備にあります。

要件定義とは、一言で言えば「何を、なぜ、どこまで作るか」という設計図を確定させる作業です。
ここが曖昧なまま進むのは、行き先を決めずに豪華客船を発進させるようなもの。

今回は、エンジニアではない経営者が、どのように要件定義に関わり、投資を成功に導くべきか。
その「正しい関わり方」を3つのステップで解説します。


1. 「機能」ではなく「業務フローの痛み」を定義する

多くの経営者が陥る罠は、業者に対して「在庫管理機能が欲しい」「自動メール送信機能が欲しい」と機能名でオーダーしてしまうことです。

しかし、本当に定義すべきは機能ではなく、「今の業務のどこに、どれだけのコスト(時間・ミス)が発生しているか」という事実です。

  • NGな定義: 「便利な在庫管理システムが欲しい」
  • OKな定義: 「現在、3人が毎日2時間かけて行っている棚卸し作業を、スマホ検品で30分に短縮し、年間〇〇万円のコストを削減したい」

このように「解決したい課題」と「目標数値」を明確にすることが、要件定義の第一歩です。

2. 専門用語は不要。「5歳児でもわかる」レベルで言語化する

「API連携」「DB構成」……要件定義の場には専門用語が飛び交いますが、経営者がこれらを理解する必要はありません。

むしろ大切なのは、自社の業務を「誰が、いつ、どこで、何をするのか」という主語と述語のレベルで、極限までシンプルに書き出すことです。

IT会社に丸投げするのではなく、「現場の人間がどう動くか」を紙に書き出し、それをエンジニアに見せる。
「この動きをシステムで実現すると、どうなりますか?」と問いかける。
この泥臭いプロセスが、現場で本当に「使える」システムを生みます。

3. 「やらないこと(対象外)」を明確に決める

予算と期間は無限ではありません。要件定義で最も重要な決断の一つは、
「今回はどこまでやり、どこからをやらないか」の線引きです。

あれもこれもと詰め込むと、システムは複雑になり、操作性は低下し、コストは跳ね上がります。

  • 優先度A: 省力化に直結し、すぐに投資回収ができるコア機能
  • 優先度B: あれば便利だが、運用でカバーできる機能(今回は見送る)

この「捨てる勇気」が、投資効率(ROI)を最大化させる秘訣です。

要件定義こそが「省力化補助金」採択の分かれ道

実は、ここまで解説してきた「要件定義」のプロセスは、「中小企業省力化投資補助金(一般型)」の申請において
最も重要なステップと驚くほどリンクしています。

一般型の補助金を獲得するためには、単に「システムが欲しい」と伝えるだけでは不十分です。
「現状の業務にどのような課題があり、導入によって労働生産性が具体的にどう向上するか」を、
論理的な数値で証明しなければなりません。

つまり、「現場で本当に使える仕組みを定義すること」は、
そのまま「高額補助金を勝ち取るための精緻な事業計画を作る」ことと同義なのです。

まとめ:失敗しないIT導入は「正しい計画」から

要件定義をIT会社任せにするのではなく、経営者が主導権を握り、自社の「省力化の正解」を描くこと。
これこそが、数千万円の投資を無駄にせず、確実なリターンを得るための唯一の道です。

「現場の課題をどう整理し、補助金の要件に落とし込めばいいか分からない」
「自社の要件が、最大1,500万円〜8,000万円の支援対象になるのか判断がつかない」

スリーウェイでは、これまで数多くの高額補助金を採択に導いてきた実績を活かし、
「補助金活用を前提とした、省力化投資の事業計画策定」を強力に支援しています。

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