農林水産省では、米粉利用拡大支援対策事業を推進しています。この事業は、我が国の自給可能な穀物である米と米粉の消費を拡大するための取り組みを支援するものです。
令和5年度を例に紹介します。
具体的には、以下のような取り組みを行います。
- 米・米粉の認知向上
米・米粉やその製品に関する消費者の認知を向上させる活動を支援します。 - 消費機会の増加
外食事業者や食品流通事業者と連携し、消費者が米・米粉製品を食べる機会を増やす取り組みを支援します。 - 喫食データの収集と活用
消費者のライフスタイルに基づく喫食データを収集し、そのデータを有効活用する取り組みを支援します。 - 米粉表示制度の普及
米粉の表示制度について関係団体と連携し、その普及活動を支援します。
背景
国内の米の需要は少子高齢化や食の多様化により年々約10トンずつ減少しています。
この状況を踏まえ、食料自給率や農業収入の向上、米農家の所得増加を達成するために、米の消費拡大が必要とされています。
単純に主食としての米の需要を増やすのは難しいため、米や米粉を利用した食品の市場開拓が注目されています。米粉は、お米を粉にしたもので、古くから煎餅や和菓子に利用されてきました。近年の技術進歩により、パン、ケーキ、麺類など様々な加工品に利用されています。
米粉の特長と市場の広がり
米粉には、いくつかの特長があります。特に注目すべきは、アレルギーやグルテン過敏症を持つ人々にとって、米粉は小麦粉の代替として利用できることです。そのため、米粉を使った製品は「アレルギーフリー」や「グルテンフリー」といった文脈で需要が高まっており、米粉を使用した食品市場は確実に拡大しています。
また、米粉はその特性から、さまざまな料理に適応できる点も強みです。パンやケーキはもちろん、和食から洋食まで、多くのジャンルで米粉を使用した製品が登場しており、消費者の選択肢を増やしています。これにより、米粉はアレルギー対策を超えて、一般消費者にも魅力的な選択肢として認知されるようになっています。
米粉利用拡大に向けた支援
「米粉利用拡大支援対策事業のうち米・米粉消費拡大対策事業」は、こうした米粉の魅力を広め、消費拡大を促進するための支援を行うものです。具体的な支援内容としては、米粉を利用した製品の情報発信を行い、消費者への認知を深める取り組みが中心となります。また、外食産業や流通業界と連携し、消費者が実際に米粉を使用した製品を手に取る機会を増やすことも重要な目的の一つです。
さらに、消費者がより多くの情報に基づいて米粉製品を選択できるように、米粉に関する表示制度の普及活動も支援されています。このような取り組みを通じて、米粉の需要を拡大し、日本の食文化における新たな可能性を広げていくことが期待されています。
農林水産省は補助金を提供し、企業や団体が積極的に米粉製品の普及を進められるようにサポートしています。これにより、米粉を使った製品の認知度が高まり、消費者にとって米粉を身近に感じられるようになることが目指されています。
まとめ
「米粉利用拡大支援対策事業のうち米・米粉消費拡大対策事業」は、日本の米粉製品を普及させ、消費を拡大するための重要な取り組みです。米粉の特長を活かし、アレルギー対策としてだけでなく、一般消費者にも魅力的な選択肢を提供することが、この事業の狙いです。米や米粉の消費拡大に向けた取り組みが進むことで、日本の農業や食文化の発展に繋がることが期待されます。