本記事は、農林水産省「産地連携推進緊急対策事業」等の事務局(JMAC)が公開した優良事例集および最新の説明会資料を基に、
スリーウェイが独自に採択ポイントを分析・解説したものです。

原材料の高騰が続く中、輸入依存から脱却し「国産原材料」への切り替えを検討する食品メーカーが増えています。
しかし、本事業は最大2億円(産地を含め3億円)という大型補助金ゆえに、審査では「単なる機械の更新」ではない、
事務局の意図を汲み取った戦略が求められます。

事例1:岡村製油(大阪府)/菜種

  • 実施内容:
    輸入菜種の高騰を受け、北海道の生産者と「播種前契約(全量買い取り)」を締結。
    同時に自動充填機を導入し、ボトリング能力を3倍(5,000本/日)へ向上させた。
  • 採択のポイント(最新資料に基づく分析):
    最新資料で重視されている「取組B:産地連携」*の典型です。
    「全量買取保証」によって農業生産の変動リスクを川下(製造業側)で引き受ける姿勢が、
    サプライチェーンの中長期的な安定に寄与すると高く評価されました。

事例2:株式会社村田実商店(山口県)/スケソウダラ

  • 実施内容:
    輸入すり身高騰に対応するため新型冷却機を導入。
    製品の中心温度を確実に下げることで賞味期限を2日間延長し、受注生産体制へ移行した。
  • 採択のポイント(最新資料に基づく分析):
    最新資料で解決方向性として示されている「フードロス削減」を数値で証明した点です。
    賞味期限の延長が廃棄17.1%削減に直結しており、「事業の効果・効率性が極めて高い」と判断されました。

事例3:リボン食品製造(大阪府)/バター・小麦

  • 実施内容:
    国産化による原料単価アップを吸収するため、冷凍パイ生地ラインに最新の「圧延折込機」を導入。
    生産時間を300分から33分へ劇的に短縮した。
  • 採択のポイント(最新資料に基づく分析):
    最新資料のメリット・デメリット分析にある「国産化によるコスト増」を、
    「生産性向上による加工コスト低減」で相殺する経済的合理性が評価されました。
    実施の確実性が高い投資モデルです。

事例4:株式会社くらや(岡山県)/小麦

  • 実施内容:
    地元「津山産小麦」100%の製品開発と自動どら焼き機の導入。生産能力を3倍以上に高めつつ、小麦粉の廃棄率を半減させた。
  • 採択のポイント(最新資料に基づく分析):
    最新資料で挙げられている「消費者ニーズ(国産・安心)の多様化」への対応です。
    産地と連携した明確な原材料調達計画が、市場ニーズと合致している(親和性がある)と認められました。

前編では自社工場の自動化による採択事例を解説しましたが、
後編では最新の審査基準で最重要視されている「産地との共生(産地支援)」に焦点を当てた事例を深掘りします。

👉 後編:産地側の課題を解決する「支援型」投資の成功事例詳報はこちら

出典・引用元

  • 令和4年度補正予算 食品原材料調達 安定化対策事業 優良事例紹介(事務局:JMAC)
  • 令和5年度補正予算 食品原材料調達 リスク軽減対策事業 優良事例紹介(事務局:JMAC)
  • 令和6年度補正予算 産地連携推進緊急対策事業 説明会資料(事務局:JMAC) ※本記事は公的な事例に基づき、認定支援機関としての知見を加えて構成しています。