企業の収益力を測るうえで欠かせない指標のひとつが「営業利益率」です。本記事ではその基本から計算方法、業界平均、そして改善のポイントまで、わかりやすくご紹介します。


1. 営業利益率とは?

営業利益率とは、「売上高に対して本業でどれだけ利益を上げているか」を示す指標です。営業利益は粗利(売上-原価)から販売費・一般管理費などの間接費を引いた額で、本業の実力を測る重要な目安となります。

図解:利益の流れ(シンプルな図解)

売上高
 ├─ 売上原価 → 売上総利益(粗利)
      └─ 販売費・一般管理費 → 営業利益
            └─ 営業外損益 → 経常利益

2. 営業利益率がなぜ大切か?

  • 本業の強さがわかる:安定した利益が得られるビジネスモデルか判断可能
  • 資金繰りの安心につながる:利益体力があるほど、借入に頼らない経営が可能
  • 経営評価で重要視される:金融機関や投資家の評価軸になります

3. 営業利益率の計算方法

具体的な計算式は以下の通りです:

営業利益率(%)= 営業利益 ÷ 売上高 × 100

たとえば、売上が1,000万円で営業利益が100万円なら、営業利益率は10%になります。


4. 業界別の営業利益率目安と比較

日本全体の平均営業利益率は1960〜2012年で約3%、2012年以降は約5.5%に改善しています。gmo.com

業種別では以下のような傾向があります(米国データなど参考):


5. 営業利益率を高める4つの方法

営業利益率を改善するには、次の4つの視点が有効です。

  1. 販売単価を向上させる
    価格に見合う価値を提供し、ブランド力や付加価値を高めましょう。
  2. 販売数量を増やす
    広告強化や販路拡充で売上アップ。ただし費用とのバランスも重要です。
  3. コスト構造を見直す
    無駄な販管費の削減、固定費の圧縮などにより利益率を向上。
  4. 利益率の高い商品に注力する
    ミックスの見直しで全体の利益効率を改善可能です。

6. 活用時の注意点:高すぎる利益率のリスク

高い営業利益率は一見優良ですが、以下の点には注意が必要です:

  • メンテナンスや更新など将来的な投資が不足している
  • 人材や社員への還元が低くモチベーションが下がる可能性
  • 取引先の負担が過大で関係が悪化している

数値だけで判断せず、持続可能な経営バランスを保つことが大切です。


7. まとめ:営業利益率で安定した経営を目指す

営業利益率は、企業が効率よく本業で利益を稼げているかを示す重要な指標です。ただ売上件数を追うだけでなく、利益として残る構造を強化することが持続的な成長につながります。

定期的なモニタリングと改善策の実践により、財務の健全性を高め、企業の安定的成長を実現しましょう。