
小規模事業者持続化補助金は、地域に根ざした中小・小規模企業が販路開拓や業務効率化を進めるうえで、大きな支援となる制度です。
ただし、どの経費が使えるのか、また申請時に注意すべきポイントを正しく理解しておかないと、せっかくの補助が無駄になってしまうこともあります。
この記事では、「使える経費」「使えない経費」を中心に、補助金活用におけるポイントをわかりやすくまとめました。
小規模事業者持続化補助金とは?
地域の小規模事業者を対象に、販路開拓や生産性向上のための取組を支援する国の補助制度です。令和6年度(第18回公募)では、**最大250万円(補助率2/3〜3/4)**が支給される特例枠もあります。
補助金の対象は「事業の成長に資する取組」であることが前提であり、そのための経費であれば幅広く認められます。
📌 使える経費の代表例(補助対象経費)
経費区分 | 内容例 |
---|---|
機械装置等費 | 業務効率化のためのPOSレジ、製造機器、陳列棚など |
広報費 | チラシ作成、ロゴ制作、HP制作(※販路開拓目的) |
展示会等出展費 | 展示会への出展費用(会場費、出展料、装飾費など) |
開発費 | 新商品の試作やデザイン費用 |
専門家謝金 | 経営改善・業務効率化のための外部コンサル料 |
設備処分費 | 旧設備の撤去・廃棄に関する費用 |
委託費 | 商品撮影、Webコンテンツ制作など外注業務 |
外注費 | 店舗改装や内装工事(専門業者による施工) |
🎯 ポイント:経費は「補助金交付決定日以降に発生・支払されたもの」が対象です。事前契約・購入は対象外になるため要注意です。
❌ 補助対象外となる経費(使えない経費)
以下のような経費は、原則として補助対象外です。
対象外の経費 | 理由 |
---|---|
パソコン、スマホ購入費 | 汎用性が高く、私的利用が可能なため |
SEO対策費用 | 成果が不確実であり効果測定が難しいため |
人件費 | 継続的費用であるため(例外なし) |
家賃・光熱費・通信費 | 日常運営費用であり、販路開拓とは関係が薄い |
リース契約料・分割払い | 原則一括購入のみ対象。リースは不可 |
補助対象期間外の支出 | 補助期間前後の契約・支払いはNG |
📈 図解:補助対象経費と対象外経費の違い
【補助対象になる】
● POSレジ導入(業務効率化)
● チラシ印刷(販促)
● ECサイト開設(新たな販路)
● 展示会出展(新規顧客開拓)
【対象外】
× 汎用パソコン
× 単なるホームページの更新
× 日常的な経費(通信費・家賃など)
× SEO対策のみの外注
💡 よくある質問(Q&A)
Q1. ホームページ制作費は対象になりますか?
→ はい、販路拡大目的であれば対象です。
単なるリニューアルやブログ更新ではNGですが、EC機能の追加、新サービスの紹介、ネット予約導入など、新たな顧客獲得に資する内容であれば補助対象になります。
Q2. ECサイト開設は補助されますか?
→ はい、対象になります。ただし注意点あり。
ECサイトから得られる売上が補助対象事業の一部になるため、売上が一定額を超えた場合、補助金の一部返還が必要となるケースもあります(収益納付)。
Q3. SEOやMEO(地図対策)は補助されますか?
→ 原則対象外です。
成果が客観的に評価できないため、SEO・MEO単体の外注は認められない場合が多いです。ただし、Webサイト制作の一部に含まれる形であれば、例外的に認められるケースもあります。
Q4. パソコンやタブレット購入は対象ですか?
→ 基本的に対象外です。
汎用性が高く、目的外使用が想定されるため、業務専用であっても認められないのが通例です。
✅ 補助対象になるための3つの条件
- 補助金交付決定後に契約・発注したもの
- 支払いが証明できる(振込記録・領収書等)
- 事業計画と紐づいた経費であること
📝 申請時の注意点
- 相見積の原則:同種製品について2社以上の見積を添付する必要があります(例:チラシ印刷、HP制作など)。
- GビズIDが必須:申請はすべて電子化されており、GビズIDプライムアカウントが必要です。
- 交付決定前の契約はすべてNG:注文・契約書・請求書・支払が「交付決定日以降」であることが条件です。
✨ まとめ:補助金活用で着実な成長を
小規模事業者持続化補助金は、正しく理解し、計画的に活用すれば非常に心強い制度です。
- 補助対象経費のルールを守り
- 販路拡大や生産性向上につながる計画を立て
- GビズID取得や見積取得といった事務対応を早めに準備しておくこと
これらを徹底すれば、採択の可能性は大きく高まります。
📌 補助金活用の第一歩
- 最新の公募要領を必ず確認
- 商工会・商工会議所で「様式4」の発行を依頼
- 必要に応じて専門家(行政書士・中小企業診断士など)に相談
制度を正しく理解し、あなたの事業を次のステージへと進める第一歩にしましょう。