
「自社の特殊な業務フローに合わせて、使い勝手の良いシステムをゼロから作りたい」
「既存のパッケージソフトでは、どうしても対応できない工程がある」
そう考えて補助金を探すと、真っ先に「IT導入補助金」が候補に挙がります。
しかし、ここで多くの方が直面する壁があります。
それは、IT導入補助金は原則として「オーダーメイド開発」を想定していないという点です。
本記事では、なぜIT導入補助金では自由なシステム開発が難しいのか、
そしてオーダーメイドを希望する経営者が選ぶべき「真の選択肢」について解説します。
IT導入補助金の「カタログ方式」というルール
IT導入補助金がこれほど普及している理由は、手続きが比較的シンプルだからです。
しかし、そのシンプルさを維持するために**「カタログ登録方式」**というルールが採用されています。
- 登録済みのツールしか買えない: IT導入支援事業者が事務局に事前登録した「パッケージソフト」や「クラウドサービス」の中から選ぶ必要があります。
- 大幅なカスタマイズはNG: そのソフトを自社仕様に作り替えるような大規模な追加開発(オーダーメイド)は、補助対象外となるケースがほとんどです。
つまり、IT導入補助金は「業務をシステム(既製品)に合わせる」ための制度なのです。
オーダーメイド開発が「対象外」とされる理由
なぜ、自由なシステム開発には使えないのでしょうか?主な理由は以下の2点です。
1. 費用の不透明性
オーダーメイド開発は、完成するまで最終的な工数や金額が変動しやすいため、国が事前に「いくら補助する」と確定させるのが難しいためです。
2. 汎用性の重視
IT導入補助金は、多くの中小企業が共通して抱える課題(会計、給与、顧客管理など)を安価に解決することを目的としています。
特定の1社のためだけに作られるシステムは、この「汎用性」の枠から外れてしまうのです。
無理に「IT導入補助金」を使おうとするリスク
「補助金が出るなら」と、無理に自社の業務を既製ソフトに合わせようとした結果、以下のような失敗を招くことがあります。
- 現場が混乱する: 独自の商習慣や長年培った効率的なフローが、システムの制約で壊れてしまう。
- 結局使わなくなる: 「入力項目が足りない」「連携がスムーズにいかない」といった不満が溜まり、以前のExcel管理に戻ってしまう。
- 二重コストがかかる: 結局、足りない機能を補うために追加の改修費用を自腹で払うことになる。
【新常識】オーダーメイドなら「省力化補助金(一般型)」
では、自社専用のシステム開発を補助金で実現する方法はないのでしょうか?
実は、2024年から本格始動した「中小企業省力化投資補助金(一般型)」こそが、その答えです。
この補助金の「一般型」は、IT導入補助金とは全く異なる設計になっています。
- オーダーメイド(受託開発)が対象: 既製品ではなく、自社の省力化のために設計・開発されるソフトウェアが対象となります。
- 目的は「人手不足解消」: 「システムを導入することで、これだけの人件費や時間が削減できる」という計画が立てられれば、自由度の高いシステム開発が可能です。
まとめ:あなたの理想は「既製品」か「特注品」か?
- IT導入補助金が向いている人: 「世の中にある便利なソフトを使って、一般的な業務を効率化したい」
- 別の補助金(省力化補助金など)が向いている人: 「自社独自の強みを活かしたシステムを構築し、抜本的に人手不足を解消したい」
スリーウェイでは、事業者様の「やりたいこと」をヒアリングし、IT導入補助金の枠に収まるのか、
あるいはより自由度の高い補助金を狙うべきかをプロの視点で判断します。
次回の記事では、具体的に「IT導入補助金」と「省力化補助金(一般型)」のどちらが得なのか、数字と機能で徹底比較します。

