― 人手不足でも「現場が回る会社」に変わった設備工事業の選択 ―

建設業・設備工事業における人手不足は、
すでに「慢性的」という言葉では足りません。

  • 若手が入らない
  • 現場管理が属人化
  • 受注はあるが人が足りない
  • 社長が現場から離れられない

こうした悩みを抱えながらも、
「建設業は省力化しにくい」と諦めている事業者も多いのが実情です。

本記事では、設備工事業が省力化投資によって現場運営を抜本的に改善し、採択された事例をもとに、一般型で評価された考え方を整理します。


1.導入前の課題|仕事はあるが、回せない

この事業者は、空調・給排水などの設備工事を主力とする中小建設業です。
元請・下請の双方で安定した受注がある一方、次のような課題を抱えていました。

  • 現場監督が常に不足
  • 工程管理・写真整理・書類作成が手作業
  • 1人の管理者が複数現場を抱えきれない
  • 社長が現場判断に追われ、経営に集中できない

結果として、

受注量ではなく「管理できる人の数」が売上上限になっている状態

でした。


2.省力化の視点|建設業のボトルネックは「管理業務」

この事業者が着目したのは、
現場作業そのものではなく、現場管理業務です。

分析すると、

  • 写真整理・報告書作成に多くの時間
  • 工程調整が属人的
  • 情報共有が遅れ、手戻りが発生

といった非生産業務が、管理者の時間を奪っていました。

つまり課題は、

人が足りないのではなく、管理業務が重すぎる

という構造にあったのです。


3.導入した投資内容|現場管理DXによる省力化

この事業者が導入したのは、
現場管理を一元化するデジタルツールと周辺機器です。

具体的には、

  • タブレットによる現場記録
  • 写真・進捗の自動整理
  • 工程表のリアルタイム共有
  • 帳票作成の自動化

といった構成で、
現場管理を「人の記憶」から「仕組み」に移行しました。

一般型で評価されやすいポイントは、

  • 建設業特有の間接業務に着目
  • 省力化効果が明確
  • 人材不足への構造的対応

が整理されている点です。


4.導入後の効果|1人で見られる現場数が増えた

導入後、次のような効果が現れました。

  • 管理者1人あたりの対応現場数が増加
  • 書類作成・写真整理時間の削減
  • 工程遅延・手戻りの減少
  • 社長の現場対応時間が減少

特に重要なのは、

人を増やさずに受注量を増やせる体制になったこと

です。

省力化が、
売上拡大と働き方改善の両立につながっています。


5.なぜこの事例は採択されたのか

評価された理由は次の3点です。

① 建設業の実態に即した課題設定

管理業務がボトルネックである点を明確化。

② 投資効果が業務量削減として説明できる

「何時間減るか」「何現場増やせるか」を説明。

③ 事業継続性への寄与

人材不足下でも成長できる構造を提示。

一般型では、
業種特性に合った省力化ストーリー
が強く評価されます。


6.建設業が学ぶべきポイント

この事例から学べるポイントは明確です。

  • 建設業の省力化は「管理業務」から
  • 現場DXは売上拡大策でもある
  • 社長の時間を生む投資が評価される

建設業でも、
省力化は十分に実現可能です。