
国産原材料を活用したい。
しかし、実際に切り替えを進めると
「既存ラインが使えない」
という問題が頻発します。
なぜ、このような現象が起きるのでしょうか。
その理由と、補助金を活用した具体的対策を整理します。
原材料は「同じ名前でも別物」である
たとえば小麦粉。
- タンパク質量
- 粘度
- 水分量
- 風味特性
国産と輸入では
物性が大きく異なります。
肉・野菜・水産物でも同様で
解凍耐性、整形性、脂肪量が違えば
製造特性は大きく変わります。
つまり
「原料が変われば機械条件が変わる」
のです。
原料変更により起きるトラブル例
| 問題 | 原因 |
|---|---|
| 形状が安定しない | 粘度不足、ミキサー仕様不一致 |
| 加工中に破損する | 国産特有の繊維質×刃物仕様不一致 |
| 包装不良が増える | 充填粘度変化/整列機が追いつかない |
| 歩留まり悪化 | 手直し増加/ロス増大 |
| 生産速度が維持できない | 装置能力不足 |
こうなると
単純な「原料切替」では済まず
- 設備更新
- 工程見直し
- 省力化対応
が不可欠になります。
原材料切替で採択されやすい設備投資テーマ
① 物性に応じた新ライン構築
例:国産小麦対応のミキサー・分割成形ライン
② 歩留まり改善機器導入
例:自動整列、選別精度向上、計量精度改善
③ 包装仕様の変更対応
例:高粘度・フィルム特性への対応機器
ここに
「国産化による供給安定」の根拠を添えることがポイントです。
補助金で重視される視点
- 原料特性の違いをどう解消するか
- 生産能力を維持/強化できるか
- 品質安定にどう寄与するか
- ロス削減が数値で証明できるか
原材料→機械仕様→効果
の因果関係を整理することが求められます。
“産地連携”の意味がここにある
原材料特性の差は
生産者側の栽培条件にも起因します。
そのため
- 生産者との規格調整
- 品質安定に向けた協業
- 共通目標の設定(供給安定)
これらが 産地連携の実態として評価されます。
設備更新が
生産地と共に品質課題を解決する取組になるのです。
まとめ
国産化によって起きる課題:
- 原料特性の違い → 工程トラブル
- 製造ロス増 → 利益悪化
- 供給安定性低下 → 調達リスク再発
解決策:
- 設備投資
- 工程改善
- 産地との共同改善
補助金を活用すれば
これらを一体的に進められます。


