中小企業省力化投資補助金(一般型)では、
「費用対効果」=どれだけ成果が出る投資なのか
が採択の最大ポイントです。

しかし、多くの企業はこの費用対効果の書き方に苦しみます。

  • どんな数字を書けばよい?
  • 計算式の作り方がわからない
  • 機械メーカーの数字をそのまま書いて落ちた

そんな悩みを解消するため、
この記事では 採択企業が実際に使用している計算式を“6つ”公開します。

これらを使えば、
どの企業でも簡単に「採択レベルの数値根拠」が作れるようになります。


🧮 計算式①「工数削減効果(時間ベース)」

最も重要な計算式です。

(Before作業時間 − After作業時間) × 月間作業回数
= 月間削減工数(時間)

◆ 例

Before:45分/個
After:25分/個
生産量:200個/月

(45 − 25)分 × 200個 = 4,000分 = 66.6時間削減/月

👉 年間約800時間の削減となり、
審査官から“効果の大きい投資”として評価されます。


🧮 計算式②「工数削減を金額に換算」

審査官に伝わりやすくするため、
削減時間を必ず“金額換算”します。

年間削減時間 × 時間単価(人件費+労務費)
= 年間効果額(円)

◆ 例

年間削減時間:800時間
時間単価:2,000円

800時間 × 2,000円 = 1,600,000円/年

👉 賃上げ原資の説明にそのまま使えます。


🧮 計算式③「増産効果(生産量UP)」

省力化=生産量UPにつながる場合に使います。

(After生産量 − Before生産量) × 粗利額(1個あたり)
= 年間増加粗利

◆ 例

Before:30個/日
After:45個/日
粗利:1,800円/個

(45 − 30)× 1,800円 × 22日  
= 594,000円/月 → 年712.8万円

👉 補助金の効果として非常に高評価。


🧮 計算式④「不良率改善による効果」

(Before不良率 − After不良率) × 生産量 × 不良損失額

◆ 例

Before:2.5%
After:1.0%
生産量:5,000個
損失額:1,000円/個

(0.025 − 0.01)× 5,000 × 1,000円  
= 75,000円/月 → 年90万円改善

👉 食品製造・金属加工・電子部品などで効果大。


🧮 計算式⑤「残業削減によるコスト改善」

(月間残業削減時間 × 残業単価) × 12ヶ月

◆ 例

月60時間 → 月10時間に改善 → 月50時間削減
残業単価:2,500円

50 × 2,500 × 12 = 1,500,000円/年

🧮 計算式⑥「総合効果(工数+不良+残業+増産)」

最終的に、総合効果としてまとめると説得力が爆上がり。

工数削減効果  
+ 不良低減効果  
+ 残業削減効果  
+ 増産効果  
= 年間総合効果

◆ 例(総合効果)

工数削減:160万円  
不良低減: 90万円  
残業削減:150万円  
増産効果:713万円  

→ 年間総合効果:1,113万円

👉 この数字がそのまま
賃上げ原資・投資回収シミュレーションの根拠になります。


📌 審査官への「見せ方」のコツ(超重要)

計算式を出したあと、
必ず以下の3つを書き加えると評価が跳ね上がります。


✔ ① Before→Afterを表で見せる

数字は文章より表が強い。

項目    Before    After   改善率
作業時間  45分    25分  ▲44%
不良率   2.5%    1.0%  ▲60%
残業   60時間   10時間 ▲83%

✔ ② 総合効果 → 賃上げ原資の流れを書く

審査官は賃上げの根拠を最重要視。


✔ ③ 投資回収期間を示す

設備費用1,500万円  
年間効果:1,113万円  

→ 投資回収:1.3年

👉 “短期間で効果が出る投資”と評価され採択率が上がります。


🎯 まとめ:費用対効果は“6つの計算式”で作れば勝てる

補助金の審査は「数字」で行われるため、
この6つの計算式を使うことで評価が大幅に上がります。


★ 使うべき計算式まとめ

  1. 工数削減
  2. 工数→金額換算
  3. 増産効果
  4. 不良率改善
  5. 残業削減
  6. 総合効果(1〜5の合算)