
中小企業省力化投資補助金(一般型)は、
第1回・第2回で 合計1,947件 が採択されました。
採択結果を見ると、
「どんな業種がどんな設備で採択されているか」
には明確な傾向があります。
この記事では、
第1回・第2回の採択結果をもとに、
業種別に採択されやすい投資内容・特徴・成功ポイントをまとめました。
「自社と似た事例を知りたい」という企業に役立つ内容です。
🔧 1.【製造業】採択事例
採択数が最も多いのが製造業(全体の約40%)。
理由は、省力化=生産性向上の効果が見えやすいためです。
◆ 採択された設備の傾向
- 自動溶接ロボット(板金・鉄工)
- 自動検査装置(AI画像解析)
- 自動包装ライン(食品)
- NC加工機・マシニングセンタ
- IoT生産管理システム
◆ 採択理由の共通点
- 作業時間の削減効果が明確
- 熟練工依存の解消(属人化対策)
- 品質の安定化が期待できる
- 賃上げ原資の根拠が説明されている
◆ 良い記載例
溶接工程の作業時間:45分 → 25分(▲44%)
不良率:2.5% → 1.0%へ改善
月間160時間の工数削減 → 新規受注対応へ振替
→ 年2%の賃上げを実現
◆ よくある不採択パターン
×「最新機械を導入したい」
×「生産性が上がるはず」
→ 説得力が弱く評価されない
🏗 2.【建設業】採択事例
建設業は第2回で採択が大きく増えました。
◆ 採択された設備
- 配管加工自動機
- ダクト自動製缶ライン
- ドローン測量システム
- 建設現場のICT化ツール
- 検査・測量の省力化システム
◆ 採択理由
- 作業者の高齢化に対する持続性の確保
- 工期短縮と省力化の両立
- 現場間移動時間の削減
- BIM/CIMなどデジタル化との相性が良い
◆ 良い記載例
配管加工自動化により、1日40本 → 70本(75%増産)
職人依存の精度もAI判定で標準化
工期短縮により年間1,200時間の削減
→ 技能手当の引上げに充当
🍽 3.【飲食業・食品製造業】採択事例
飲食は単純な“機械化”では採択されにくいですが、
食品製造業は製造業に分類され、採択が非常に多い業種です。
◆ 採択された設備
- 自動包装機・自動ラベラー
- 急速冷凍機
- 異物検査装置(AI検知)
- 自動調理ライン
◆ 採択理由
- 衛生管理(HACCP)と省力化の同時達成
- 人手不足に直結する業務の改善
- 品質ばらつきの均一化
◆ 良い記載例
手作業包装:1個あたり35秒
→ 自動包装機で12秒へ(▲65%)
人手2名 → 1名に再配置
浮いた時間で新メニュー開発を強化
→ 付加価値額を年5%増加
📦 4.【卸売業/小売業】採択事例
卸売業の採択は、
“在庫管理・物流の省力化”が中心です。
◆ 採択された設備
- 自動倉庫システム
- 棚卸しAIシステム
- 配送ルート最適化システム
- ピッキングロボット
◆ 採択理由
- 検品・棚卸しの作業負荷が高い
- 誤出荷リスクの削減
- 倉庫内作業の属人化解消
◆ 良い記載例
棚卸し時間:月20時間 → 4時間へ(▲80%)
誤出荷率:0.8% → 0.1%へ改善
配送ルート最適化で年間300時間削減
→ すべて賃上げ原資に回す
🧭 5.業種別まとめ(超重要ポイント)
製造業:作業時間・不良率・属人化対策がカギ
建設業:工期短縮 × 安全性 × 高齢化対応
食品製造:HACCP × 省力化の同時改善
卸売業:棚卸し・物流のデジタル化が必須
どの業種でも共通するのは、
「課題の数値化」+「省力化」+「賃上げ」の一貫ストーリー
この3つが揃うと採択率が高まります。


