2025年度の「中小企業省力化投資補助金(一般型)」は、これまでに第1回・第2回が終了し、
続く第3回・第4回公募が年内の中心テーマとなっています。

第1回(採択1,240件)・第2回(採択707件)の結果からは、
省力化×賃上げを両立できる事業計画」を立てた企業ほど採択率が高い傾向が明確になりました。

この記事では、最新版スケジュールを踏まえたうえで、
第3回・第4回公募に向けた準備と、採択率を高める5つの実践戦略を解説します。


🗓 1.2025年度 公募スケジュールまとめ

公募回公募開始日申請受付開始日公募締切日(17:00)採択発表日
第1回2025年1月30日(木)2025年3月19日(月)2025年3月31日(月)2025年6月16日(月)
第2回2025年4月15日(火)2025年4月25日(金)2025年5月30日(金)2025年8月8日(金)
第3回2025年6月27日(金)2025年8月4日(月)2025年8月29日(金)2025年11月下旬(予定)
第4回2025年9月19日(金)2025年11月4日(火)2025年11月27日(木)後日発表予定

💡 ポイント

  • 公募は年4回ペースで実施されており、締切間隔はわずか2〜3か月。
  • **第3回(8月締切)と第4回(11月締切)**が、2025年の最終募集チャンス。
  • 採択発表はおおむね締切から2〜3か月後に公表されます。

🎯 2.採択率を高める5つの実践戦略


🔹 ① 「現場課題」を数値で可視化する

審査員が最初に見るのは、“なぜこの設備が必要なのか”の明確さです。
「人手が足りない」だけでは不十分。
作業時間・残業時間・不良率など定量データで課題を示すことが必須です。

📊 書き方例

現在:1人あたり作業時間 45分/個 → 導入後:25分/個(45%削減)
不良率:3.2% → 1.0%へ改善見込み

💡 定量データ+現場写真・工程図を入れると説得力が大幅UP。


🔹 ② 「省力化=賃上げ」を筋道立てて説明

省力化投資補助金の最も重要な審査項目は、
**“省力化によって賃上げをどう実現するか”**です。

✍️ 書き方のポイント

  • 「人員削減」ではなく「時間削減・再配置・育成」で説明
  • 「付加価値向上→利益増→給与還元」の流れを図で示す
  • ベースアップや技能手当など、具体的な賃上げ手段を提示

💬 例

自動包装機導入で残業を月120時間削減。
余剰時間を新ブランド立上げに充当し、利益率3%向上・年2%のベースアップを実現。


🔹 ③ 「最適投資レンジ」は1,000〜1,750万円

採択企業の約7割が、このレンジで申請しています。
小さすぎず、大きすぎない“中規模投資”が最も評価されやすい傾向です。

💡 理由

  • 費用対効果が明確に説明できる
  • 設備導入から効果測定までの期間が短く、実現性が高い
  • 補助率(中小1/2・小規模2/3)でバランスが良い

🔹 ④ 「現場×経営×支援機関」の三位一体体制を構築

採択企業は、経営者が現場と一体で計画を作成しています。
「現場に任せきり」「書類作成を外部丸投げ」では採択されにくい傾向です。

🧭 理想的な連携構図

  • 経営者:ビジョンと資金計画の策定
  • 現場責任者:業務プロセスと課題把握
  • 認定支援機関:事業計画の整備・採択要件チェック

💬 例

経営者が月1回ミーティングを実施し、現場の進捗・課題を確認。
支援機関と共同で計画内容をブラッシュアップ。


🔹 ⑤ 書類精度の徹底管理 ― 「不採択の3割は形式ミス」

第2回公募では、書類不備による失格が全体の約3割。
次のような初歩的ミスが目立ちました。

⚠️ よくあるミス

  • GビズID未登録(ログイン不可)
  • 様式(その3)未添付・Excel変換エラー
  • 賃上げ表明書の署名漏れ
  • 提出期限当日のアクセス集中によるエラー提出

💡 対策

✅ 提出1週間前に“提出リハーサル”を実施すること。
✅ 申請支援者・第三者のダブルチェックを推奨。


📋 3.準備チェックリスト(第3回・第4回向け)

チェック項目状況備考
GビズIDプライムを取得済みか未取得は要2週間
課題を定量化したデータを整理済みか作業時間・生産量など
見積書・機器仕様書を確保済みか3社比較見積を推奨
賃上げシナリオを作成済みかベースアップ根拠を記載
支援機関と打合せを開始済みか最低2回のレビューが望ましい
申請様式を最新版に更新済みか公募要領第4回版に対応

🖼️ 【図解提案】

「採択率を高める5つの戦略」図(A4横構成)

① 現場課題の可視化
② 省力化=賃上げのストーリー
③ 投資レンジ最適化(1,000〜1,750万円)
④ 現場×経営×支援機関の三位一体
⑤ 書類精度の徹底

✅ まとめ:次回公募は「準備の早さ」で勝負が決まる

第3回は11月下旬に採択発表予定、
第4回は年末にかけての**“最終公募チャンス”**となります。

  • 11月上旬〜中旬に準備を完了
  • 11月下旬から支援機関レビュー→11月27日提出
  • 2026年採択・設備導入へスムーズに移行

このスピード感が採択を分けるカギです。

補助金は単なる資金支援ではなく、
「未来への投資」と「社員の働き方改革」を両立するチャンス
準備を早めに進め、確実な採択を目指しましょう。