標達成や課題解決をスムーズに進めたい方におすすめの思考整理法が「マンダラート」です。メジャーリーグで活躍する大谷翔平選手が高校時代から活用していたことで注目を集めたこの手法は、ビジネスにおいても非常に効果的です。

本記事では、マンダラートの基本から具体的な作成方法、業務に活用するコツまで、図解とともに分かりやすく解説します。


マンダラートとは?アイデア整理と目標達成を支援するフレームワーク

マンダラート(Mandal-Art)は、中心に目標を据え、周囲のマス目に関連キーワードを展開していくアイデア整理のツールです。

図1:マンダラートの基本構成(3×3マス)

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| A | B | C |
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| D |◎E◎| F |
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| G | H | I |
  • 中央(◎E◎)に「達成したい目標」を書く
  • 周囲8マスに関連するキーワード(施策や課題)を書く
  • さらに、それぞれのキーワードを中心にした新たなマンダラートを派生させ、最終的に「9×9=81マス」まで展開

このようにして、目標に対して必要な要素を深掘り・整理し、具体的な行動計画に落とし込むことができます。


他の思考法との違い:マンダラートとマトリックス法の比較

特徴マンダラートマトリックス法
目的思考の展開と整理比較・分析による分類
構成3×3マス(最大9×9)縦軸・横軸で交差点に内容を記入
発展性各要素を起点にさらに展開可能展開には制限あり
主な用途目標設定、課題整理、行動計画SWOT分析、製品ポジショニングなど

ビジネスにおける7つのメリット

マンダラートは以下のようなビジネス課題に効果を発揮します。

  1. 思考・情報を整理できる
    → 複雑な状況でも必要な要素が明確になります。
  2. プロセスを可視化できる
    → 目標達成に向けたステップが見える化されます。
  3. 中間目標が明確になる
    → KPI(重要業績評価指標)の設定に役立ちます。
  4. 課題の発見に繋がる
    → 視点を変えることで盲点にも気づきやすくなります。
  5. 施策を洗い出せる
    → 目標達成に必要な行動が具体化されます。
  6. 抜け漏れを防げる
    → 81マスを埋めることで、計画の精度が向上します。
  7. 知見の共有ができる
    → チームでのワークにも適し、ベテランの知識も活かせます。

マンダラートの作り方:ステップ別ガイド

Step 1:中心に最終目標を書く

まずは3×3のマスを描き、中央に「最終的に達成したいこと」を記入します。具体性と実現可能性のある内容が望ましいです。

例:
「新規顧客の月間獲得数を100件にする」

Step 2:周囲8マスに関連キーワードを記入

目標達成に必要なキーワードやテーマを8つ記入します。施策や課題を大枠で捉えるのがポイントです。

例:SEO強化、LP改善、SNS運用、顧客分析、広告運用、競合調査、Web接客、メール施策

Step 3:8つのキーワードを中心にマンダラートを派生させる

それぞれのキーワードを中央にした新たな3×3のマンダラートを作成し、より具体的なアイデアや施策を記入します。

Step 4:類似キーワードをグルーピングして優先順位付け

重複している内容は重要度が高い証拠。これらをグループ化して、優先的に取り組む施策を決定します。


作成時の5つのポイント

  1. すべてのマスを埋める
    思考を掘り下げ、抜け漏れを防ぎます。
  2. 期限を設ける
    目標達成に向けたスケジュール感が生まれます。
  3. 具体的に書く
    実行に移しやすくなり、定量評価も可能です。
  4. 達成可能な目標にする
    実現性がないとモチベーションが下がってしまいます。
  5. 重複キーワードの有無を確認
    重複は重要性の指標になるため、グループ化に役立ちます。

おすすめのマンダラート作成ツール3選

1. Excel

セルの枠を活用すれば、自由にマス目を設計可能。色分けや共有も簡単です。

2. マンダラート(plusblog)

シンプルで操作が簡単なWebアプリ。無料で使えるのが魅力です。

3. MandalArt(iOS/Androidアプリ)

スマホで手軽に作成・編集ができ、スキマ時間に整理できます。


まとめ

マンダラートは、目標達成や課題整理を視覚的に支援してくれる強力なツールです。中心に目標を据え、思考を段階的に広げながら具体的な行動計画に落とし込めるため、ビジネスシーンでも非常に重宝されます。

こんな方におすすめ:

  • 思考や計画がまとまらず悩んでいる方
  • プロジェクトの優先順位を明確にしたい方
  • チームで共通認識を持ちたいマネージャー

まずは紙やExcelで気軽に作成してみることから始めましょう。思いがけないアイデアや課題の発見につながるかもしれません。