新たな市場への進出や販促活動を考えている小規模事業者にとって、「資金の壁」は大きな課題です。
そのような方におすすめしたいのが「小規模事業者持続化補助金」です。

この制度は、販路開拓を目的とした取り組みに対して、費用の一部を国が支援してくれる補助金であり、事業拡大の強力な後押しになります。


小規模事業者持続化補助金とは?

小規模事業者持続化補助金とは、新しい顧客の獲得や業務の効率化を目的とした取り組みに対し、費用の一部を支援する国の制度です。

主に以下のような取り組みが対象となります。

  • 新商品の開発
  • ホームページやECサイトの新規開設・リニューアル
  • 展示会への出展
  • チラシやSNS広告などの販促活動

これらの施策を通じて、売上拡大や経営基盤の強化を目指す事業者を支援します。


補助対象となる経費

補助金でカバーされる経費は多岐にわたります。

区分内容の例
機械装置等費新商品の製造に必要な機械・設備の購入
広報費ホームページ制作、チラシ印刷、広告出稿など
展示会等出展費国内外の展示会への出展費、旅費、出展準備にかかる費用
外注費デザイン業務や改装工事などの外部委託費用
専門家謝金販売戦略や商品開発における外部専門家の活用

**ポイント:**取り組みが「販路開拓」に該当し、計画に基づいていることが重要です。


補助金の上限額と補助率

  • 補助上限額:原則 50万円
  • 補助率:対象経費の3分の2(≒約66%)

例)展示会への出展に100万円をかけた場合、上限である50万円の補助を受けられます。

※インボイス枠や特別枠など、条件に応じて上限額が引き上げられるケースもあります。詳しくは最新の公募要領をご確認ください。


補助金申請の基本条件

補助金を活用するためには、以下の3つの条件を満たす必要があります。

✅ すでに事業を開始していること

  • 法人の場合:登記済みであること
  • 個人事業主の場合:税務署に開業届を提出済みであること

✅ 小規模事業者であること

  • 商業・サービス業:常時使用する従業員が5人以下
  • 製造業・その他:20人以下

✅ 商工会議所・商工会の支援を受けていること

  • 経営計画の作成や事業確認書の発行を受ける必要があります。

手続きの流れ(一般的なスケジュール)

下図は申請から補助金受給までの流れを簡略化したものです。

【図解】申請から補助金受給までの流れ
┌─────────────┐
│ 1. 公募要領の確認 │
└─────────────┘

┌─────────────┐
│ 2. 経営計画の作成 │(商工会等の支援を受ける)
└─────────────┘

┌─────────────┐
│ 3. 申請書の提出 │
└─────────────┘

┌─────────────┐
│ 4. 審査・採択 │
└─────────────┘

┌─────────────┐
│ 5. 事業の実施 │
└─────────────┘

┌─────────────┐
│ 6. 実績報告書の提出 │
└─────────────┘

┌─────────────┐
│ 7. 補助金の受領 │
└─────────────┘

※計画通りに事業を実施し、正確な報告を行うことが補助金受領の前提となります。


申請を成功させるためのポイント

① 明確な目的と効果を示す

  • なぜこの取り組みが必要なのか?
  • どのように売上や顧客数に寄与するのか?

といった視点で成果につながる計画を立てることが大切です。

② 商工会議所・商工会をフル活用

  • 経営指導員によるアドバイスを受けながら、内容のブラッシュアップが可能です。

③ 申請書は「読み手に伝わる」ように

  • 事業の魅力が伝わる構成や表現に工夫を。
  • 数値目標やスケジュールを明確に記載しましょう。

まとめ:補助金で販路拡大の第一歩を踏み出そう

小規模事業者持続化補助金は、販路拡大を検討する事業者にとって非常に心強い制度です。
しっかりと準備を行い、実効性の高い事業計画を立てることで、補助金を活用した事業拡大が現実のものになります。

まずは商工会議所・商工会に相談し、申請の第一歩を踏み出してみましょう。


この記事が、あなたの事業成長のヒントになれば幸いです。
最新情報は常に公募要領をご確認ください。