~審査通過のために押さえるべき要点~

「ものづくり補助金を申請したけれど、革新性が足りないと言われて不採択だった…」
そんな経験はありませんか?
ものづくり補助金では、「革新的なサービス」の提案が採択のカギとなります。

本記事では、補助金申請における「革新的サービス」の意味と、審査通過に向けて必要なポイントをわかりやすく解説します。


ものづくり補助金とは?

ものづくり補助金(正式名称:「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」)は、中小企業・小規模事業者が新たな製品やサービスの開発、業務効率化、生産プロセス改善などに取り組む際に活用できる補助制度です。

  • 補助金額:最大1,250万円(通常は750~1,000万円程度)
  • 補助率:原則2/3(小規模事業者は3/4になるケースあり)
  • 対象業種:製造業だけでなく、サービス業やIT業も含む

最大の特徴は、「革新性」が強く求められる点にあります。


革新的なサービスとは?

では、審査員が求める「革新的なサービス」とは具体的にどのようなものでしょうか?

● 革新的サービスの定義

「既存の製品やサービスを超える、新しい価値を創造する取り組み」です。
技術やアイデアの組み合わせにより、これまでにない解決策や利便性を提供することが求められます。


▼図解:革新的サービスの3要素

① 理想の姿 新たな価値・機能を備えた製品やサービス

② 革新的な解決策 従来にない技術やアイデアの活用

③ 相対的な視点 自社・地域・業界における新規性


革新性の評価される事例とは?

✅ 自社初の試み

これまで扱っていなかった業界や技術に挑戦する新規事業

例:製造業が新たにIoTデバイスと連携した遠隔監視サービスを開始

✅ 業界初の取り組み

業界内で類似サービスがない、または提供方法が斬新である

例:AIと連携したパーソナライズ型リハビリアプリの提供

✅ 地域初・課題解決型のモデル

地域課題に特化し、社会的なニーズを解決するような構想

例:過疎地域の移動支援を目的としたデジタル乗合予約システムの導入


審査を通過するための4つのポイント

審査で評価されやすい事業計画には、以下の要素が明確に記載されています。

観点内容例
① 具体的な目標「導入後1年で業務効率を30%改善」「新サービスで売上10%向上」など定量目標
② 差別化要素他社と比べて何が新しいのか? 自社独自の技術やノウハウはあるか
③ 実現可能性実行体制、スケジュール、資金計画が現実的か
④ 経済効果地域経済や雇用への波及効果、新規顧客の創出など

よくある失敗例と改善のヒント

● よくあるNG例

  • 既存サービスの延長や小幅な改善にとどまっている
  • 新技術の導入がない、単なる業務効率化だけを目的としている
  • 市場調査や収益計画が曖昧で、実現可能性が低い

● 改善のための3つの工夫

  1. 過去の採択事例を分析する
     経済産業省の公表資料から、どんな事例が採択されたかを確認しましょう。
  2. 第三者の意見を取り入れる
     中小企業診断士や補助金専門のコンサルタントに計画書の添削を依頼するのも有効です。
  3. 複数回見直す
     一度書いて満足せず、計画書は何度も推敲して完成度を高めましょう。

対象分野と金額の目安

  • 対象業種:製造業、ITサービス業、介護・福祉業、小売・飲食など
  • 補助額の目安:750万円~1,250万円(補助率2/3または3/4)
  • 対象経費:設備投資、ソフトウェア開発費、外注費、クラウド利用料など

まとめ:革新性は“ストーリー”と“視点”がカギ

革新的サービスの定義は、「新しいことをやる」というよりも、「業界や地域にどんな新しい価値を提供できるか」という視点で考えることが重要です。

✅ 採択に向けて意識したいこと

  • 自社の強みを活かした、他にない取り組みであるか
  • 業界や地域のニーズに応える構想か
  • 実現可能性と経済効果を数字で語れているか

ものづくり補助金を活用して、自社の革新と成長を実現するためにも、今一度、計画の「革新性」に向き合ってみましょう。