~申請から採択までのポイントを丁寧に解説~

「ものづくり補助金」と聞くと、製造業向けの制度という印象を持つ方が多いかもしれません。
しかし実は、スマートフォンアプリの開発でも対象になるケースが増えています。

この記事では、アプリ開発で補助金を活用するための要件や成功のポイント、申請手続きまでをわかりやすく解説します。


そもそも「ものづくり補助金」とは?

正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」。
中小企業や小規模事業者が行う革新的な取り組みに対し、経費の一部を補助する制度です。

主な概要内容
補助額最大1,000万円(条件により変動)
補助率通常2/3(小規模事業者は3/4の場合も)
対象経費機械装置費、ソフトウェア費、外注費など

アプリ開発も対象になる理由

アプリ開発にかかるソフトウェア開発費や外注費、クラウド利用料などは、補助金の対象経費に該当します。
そのため、以下のような要件を満たす場合、申請が可能となります。

  • 革新性のあるアプリ(例:新技術や新しいユーザー体験の導入)
  • 業務効率化や社会課題解決に資する内容
  • 事業化の見込みがある開発内容

▼図解:補助対象になるアプリ開発の例

[× 対象外] 
・テンプレート利用のみの汎用アプリ
・実質的に開発のない既存アプリ再販

[〇 対象となり得る]
・地域向け多言語観光ガイドアプリ(AR活用)
・生活習慣改善支援アプリ(医療連携、AI分析)
・業界特化型業務効率化アプリ(独自開発)

採択されたアプリ開発事例

これまでに補助対象となった具体例を2つご紹介します。

① 観光向けARアプリ(多言語対応)

訪日外国人向けに、スマートフォンをかざすと周辺の観光名所や避難場所の情報がARで多言語表示されるアプリ。
地域課題×最新技術の融合が評価されました。

② 生活習慣病予防アプリ

食事・運動・睡眠の記録をもとに、専門家のアドバイスをアプリ上で提供する健康管理支援ツール。
ヘルスケア分野の社会的ニーズに応えた点が採択の決め手となりました。


採択を目指すポイント

アプリ開発で補助金を獲得するためには、次の3点が重要です。

項目具体的なアピール内容
革新性既存サービスとの差別化、新技術の導入など
事業性開発後の市場展開、収益モデル、継続的な運用体制
社会・地域貢献地域課題への対応、業界への波及効果、ユーザーの利便性向上

申請手続きと専門家の活用

申請には事業計画書の作成、予算書の整備、各種証憑の準備が必要です。
特にアプリ開発においては、専門的な表現が多くなるため、中小企業診断士や補助金コンサルタントのサポートを活用するのがおすすめです。

▼申請の流れ(簡略版)

  1. 補助金の公募要領を確認
  2. 認定支援機関と相談・計画書作成
  3. 電子申請(事前のID登録が必要)
  4. 審査・採択
  5. 補助事業の実施 → 実績報告 → 補助金交付

補助金活用のメリット

  • 開発資金の軽減:自己資金の負担を抑えられる
  • スピードアップ:資金面の課題が解消され、事業が加速
  • 支援体制の強化:専門家や外部パートナーとの連携がスムーズに

まとめ:アイデアと構想が鍵

「アプリを作りたい」というだけでは採択は難しいのが現実です。
重要なのは、社会的意義と事業としての実現性を兼ね備えた構想です。

✅ 採択されるためのポイントまとめ

  • 革新的な技術や機能を備えているか
  • 市場ニーズとマネタイズの計画があるか
  • 地域や業界に貢献できるか

アプリ開発を通じて社会課題の解決や業務改善を目指す企業にとって、「ものづくり補助金」は強力な味方です。
ご検討中の方は、ぜひ早めに専門家と相談しながら準備を進めてみてください