
■はじめに
補助金を調べてみたけれど、
「どれを選べばいいのかわからない」「全部難しそう」
と感じたことはありませんか?
実は、補助金申請で最も多い失敗は、
“補助金の選び間違い” です。
採択率を上げる第一歩は、申請書のテクニックではなく、
“自社に合った補助金を選ぶこと”。
本記事では、補助金を選ぶ際の考え方と、失敗を防ぐ判断基準をわかりやすく解説します。
■なぜ「補助金選び」が重要なのか
補助金には、それぞれ「政策目的」があります。
つまり、「どんな企業を支援したいか」が制度ごとに違うのです。
たとえば、
- 「生産性を高めたい」なら → ものづくり補助金
- 「人手不足を改善したい」なら → 省力化投資補助金
- 「販路を広げたい」なら → 小規模事業者持続化補助金
- 「DX化を進めたい」なら → IT導入補助金
- 「新しい分野に挑戦したい」なら → 新事業進出補助金
もし目的に合っていない補助金を選ぶと、
どんなに文章が上手でも審査官には「ズレた申請」と見なされます。
■ステップ①:目的別に補助金を分類する
まずは、自社の「やりたいこと」を明確にすることが大切です。
目的を整理すれば、自ずと応募すべき補助金が見えてきます。
| 目的 | 適した補助金 | 活用事例 |
|---|---|---|
| 設備を更新して効率化したい | ものづくり補助金 | 新型加工機の導入で生産性向上 |
| 自動化・人手不足を解消したい | 省力化投資補助金 | 自動搬送ロボット導入 |
| 新しい顧客を獲得したい | 小規模事業者持続化補助金 | ECサイト制作・展示会出展 |
| DX化で業務効率を上げたい | IT導入補助金 | 会計・勤怠クラウド導入 |
| 新事業に挑戦したい | 新事業進出補助金 | 食品メーカーが新ブランドを立ち上げ |
🔎 Point
補助金は「目的の一致」が最重要。
“自社が国の政策に貢献する取組であるか”を意識すると、採択率が高まります。
■ステップ②:企業規模・業種で絞り込む
次に確認すべきは、自社が対象要件に当てはまるかです。
業種や従業員数の制限があるため、ここを見落とすと申請そのものが無効になります。
💡確認ポイント
| 項目 | チェック内容 |
|---|---|
| 業種 | 補助金ごとに対象業種が異なる(例:製造業限定など) |
| 従業員数 | 小規模事業者持続化補助金は「5名・20名以下」など制限あり |
| 経営状況 | 赤字でも申請可能か、直近決算の提出が必要か |
| 設備内容 | 補助金対象経費に含まれるか(リースは対象外など) |
🔎 Point
「申請条件を満たしているか」だけでなく、
「採択後に実行できるか」も重要です。
資金力・納期・現場体制を事前に確認しましょう。
■ステップ③:スケジュールから逆算して選ぶ
補助金は年に数回公募がありますが、
締切を過ぎると申請できません。
採択から入金まで半年〜1年かかることもあるため、
「いつ資金が必要か」を考えてスケジュールから逆算します。
💡スケジュール判断の目安
| 時期 | 行動 |
|---|---|
| 〜2か月前 | 情報収集・補助金選定 |
| 〜1か月前 | 申請書作成・見積取得 |
| 公募締切 | 提出 |
| 1〜2か月後 | 採択結果発表 |
| その後3〜6か月 | 事業実施・実績報告・入金 |
🔎 Point
「今すぐ資金が必要」な場合は、補助金ではなく融資を併用するのが現実的です。
■ステップ④:補助金の“向き・不向き”を判断する
補助金には、「相性」があります。
すべての会社がどの補助金でも通るわけではありません。
| 補助金名 | 向いている企業 | 不向きな企業 |
|---|---|---|
| ものづくり補助金 | 新商品・新技術・工程改善など明確な開発テーマがある | 現状維持型・設備更新のみ |
| 省力化投資補助金 | 現場の自動化・人手不足解消に課題がある | 生産設備以外への投資中心 |
| 小規模事業者持続化補助金 | 店舗運営・販路開拓・顧客獲得に課題がある | 大規模企業・BtoB中心 |
| IT導入補助金 | DX化・業務効率化を目指す企業 | ソフト導入計画がない |
| 新事業進出補助金 | 新分野・新事業に挑戦する企業 | 現業の延長で新規性がない |
🔎 Point
審査官は「この補助金の目的にどれだけ合致しているか」を重視します。
「とりあえず申請」は不採択の典型パターンです。
■補助金選びの“3つの判断基準”
- 目的が合っているか
→ 補助金の趣旨に合致しているか確認 - 条件を満たしているか
→ 従業員数・業種・対象経費をチェック - 実行できるか
→ 資金・人材・スケジュールが確保できるか
この3つを満たす補助金を選べば、
採択率は格段に高くなります。
■まとめ
補助金選びは、戦略のスタート地点です。
- 「やりたいこと」ではなく、「国が支援したいこと」に合わせる
- 自社の規模・時期・実行体制を考慮する
- 無理のない範囲で、最も“目的に合う”補助金を選ぶ
これが、失敗しない補助金活用の第一歩です。


