小規模事業者持続化補助金(持続化補助金)は、小規模事業者が経営の改善や長期的な成長を目指して取り組む販路開拓や生産性向上をサポートするための補助金制度です。
これは、事業者が経営計画を作成し、その実行に必要な費用を補助するもので、長期的な経営維持に役立つ資金を提供します。

ただし、この補助金を受けるためには審査があり、申請者全員が採択されるわけではありません。
採択率は年ごとに発表されており、近年はその率が低下傾向にあります。
今回は、第16回の採択結果を例に、過去の採択率の推移を見ながら、採択の傾向や申請のポイントを紹介します。

小規模事業者持続化補助金の採択率

2024年8月8日に発表された第16回の採択結果によると、7,371件の申請のうち、2,741件が採択され、採択率は約37.2%となっています。
この採択率は近年低下しており、例えば、事業再構築補助金やものづくり補助金といった他の補助金制度と同様に低い数字となっています。

また、第16回の公募では、申請受付から締め切りまでの期間が非常に短く、わずか19日間しかなかったため、申請件数がこれまでの約半数に減少しました。
このような事情も採択率の低下に影響を与えたと考えられています。

過去の採択率推移

過去の採択率を見てみると、初回の90.8%から徐々に低下し、第4回以降は採択率が50%前後で推移してきました。特に第15回では41.8%、そして第16回では37.2%にまで低下しています。この低下の要因としては、申請方法や審査の内容が変化したことが挙げられます。

採択率をチェックする際のポイント

採択率は年ごとに変動しますが、その主な要因は予算です。予算額が上限を超えると補助金は支給されないため、申請者が多い場合、実際に補助金を受け取れる企業は少なくなります。申請者が少なければ採択率は上がりますが、逆に申請者が増えれば、良い事業計画書を提出しても審査に通らない場合があります。

また、申請を諦める事業者が一定数いる場合、実質的な倍率が上がる可能性もあります。そのため、諦めずにしっかりと事業計画書を作成することが重要です。

採択率を上げるためのポイント

小規模事業者持続化補助金を確実に受け取るためには、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。以下に、申請時に注意すべき点を紹介します。

1. 審査基準を理解する

審査は書類審査で行われ、提出書類に不備がないかどうかが重要です。必要な書類をすべて提出し、内容が補助金の要件に合致していることが求められます。また、申請者が実際に事業を遂行できる能力を有しているかどうかも評価されます。

2. 加点項目を意識する

審査では、一定の条件を満たす事業者に対して加点が行われます。加点項目には「重点政策加点」と「政策加点」があり、それぞれの加点項目を確認して、事業計画書に盛り込むことが大切です。

  • 重点政策加点:例えば、赤字賃上げや事業環境の変化に対応した取り組み
  • 政策加点:地域資源を活用した事業など

これらの加点を得るためには、申請書類に記載すべき項目があるため、事前に公募要領をしっかり確認しましょう。

3. 事業計画書の質を高める

事業計画書には自社の経営状況、経営方針、目標、今後のプランなどが含まれる必要があります。また、計画がどれだけ実現可能であるか、どれだけ効果的な事業計画であるかを示すことが重要です。

審査項目をしっかりと事業計画書に反映させ、経営分析や事業計画がしっかりと論理的に構築されていることをアピールしましょう。

業種別の採択事例

ここでは、実際に小規模事業者持続化補助金を活用して成功した業種別の事例をいくつか紹介します。

  • 飲食業(販路開拓)
    北海道のカフェは、観光客だけでなく地元客にもアプローチするため、フードプリンターを導入しました。これにより、オリジナルクッキーやケーキの販売が増え、売上が向上しました。
  • 理容業(設備投資)
    出張理容サービスを提供するため、移動式リクライニングチェアやシャンプーユニットを導入。新規顧客を35名以上獲得し、売上は30%増加しました。
  • サービス業(広報活動)
    写真館は、新しい写真プランを広めるために新聞折込やポスターパネルを活用し、ドレス姿での撮影需要を喚起。客単価が20~30%アップしました。
  • 食品加工業(展示会・商談会)
    自家製米のブランド化を目指し、パッケージを改良し物産展に出展。これにより新たに5社と取引を開始し、販路拡大が進みました。

申請サポートの活用

小規模事業者持続化補助金を申請する際には、第三者に書類作成のサポートを依頼することができます。商工会議所や税理士、行政書士、認定支援機関などの専門家が提供するアドバイスを受けることが可能です。

申請手続きを代行することはできませんが、事業計画書の作成アドバイスや提出書類の確認、電子申請システムの操作支援などを受けることができます。

まとめ

小規模事業者持続化補助金の採択率は低下傾向にありますが、適切に準備し、審査基準に合った申請を行えば、採択される可能性は高まります。事業計画書をしっかり作成し、加点項目を意識して提出書類を整えることが大切です。申請サポートを活用し、申請の精度を高めましょう。