個人事業主や中小企業が事業を成長させるためには、十分な資金が必要です。資金調達の方法として、「マル経融資」という公的な融資制度があります。
この制度は、事業の拡大や改善を目指す個人事業主や小規模な企業にとって大きなサポートとなります。今回は、マル経融資の基本情報、メリット・デメリット、審査のポイントなどについて詳しく解説します。

マル経融資とは?

マル経融資は、正式には「小規模事業者経営改善資金融資制度」と呼ばれる、国が提供する融資制度です。この制度は、小規模事業者の経営改善を支援するために設けられ、最大2,000万円までの融資が可能です。特に、担保や保証人が不要で、低金利で借りられる点が魅力です。

マル経融資の特徴と利用条件

マル経融資の大きな特徴は、無担保・無保証で最大2,000万円まで融資を受けられることです。
通常、銀行などで融資を受ける場合、担保や保証人が必要になることが多いですが、この融資制度ではそれが求められません。金利も低く設定されており、銀行融資に比べて非常に有利な条件です。

利用できる資金用途は、主に運転資金や設備投資など、事業の経営改善に必要な資金に限定されています。
創業資金としては利用できない点に注意が必要です。また、従業員数が21人以上の法人や一部の業種(宿泊業、娯楽業など)は対象外となります。

マル経融資を利用するためには、商工会議所や商工会に加入し、経営改善計画を立てて指導を受ける必要があります。この指導を受けることで、融資を受けやすくなるだけでなく、経営の改善にもつながります。

マル経融資のメリット

  1. 高額な融資が低金利で受けられる
    最大2,000万円までの融資が低金利で受けられるため、事業の規模を拡大したい、または設備投資を行いたい個人事業主にとって非常に有益です。現在の金利は、1.20%程度と非常に低く、銀行融資よりもお得です。
  2. 担保や保証人が不要
    融資を受ける際に担保や保証人が必要ないため、事業者の負担が軽減されます。特に、担保となる不動産を持たない事業者には大きなメリットです。
  3. 経営改善のサポートが受けられる
    商工会議所からの経営指導を受けることができるため、経営改善のノウハウを学びながら資金調達ができます。これにより、事業運営の効率化が進み、経営の安定化が期待できます。

マル経融資のデメリット

  1. 創業資金には利用できない
    マル経融資は創業から1年以上経過した事業者を対象にしています。したがって、新しく事業を始めたばかりの事業者は利用できません。
  2. 商工会への加入が必須
    融資を受けるためには商工会への加入が必須です。商工会には年会費がかかる場合があるため、その費用も事前に確認しておくことが大切です。
  3. 審査に時間がかかる
    マル経融資の申請から融資実行までには時間がかかります。商工会での経営指導を受けるために6ヶ月以上かかることが多く、融資実行までに数ヶ月以上の時間を要するため、事前に余裕を持って申請することが求められます。

審査に通るためのポイント

マル経融資の審査に通るためには、いくつかの重要なポイントがあります。特に重要なのは、事業計画を明確に立てることです。計画には、具体的な目標設定や資金の使い道、返済計画などを盛り込み、詳細に作成することが求められます。

さらに、信用情報が重要な審査基準となります。過去に未納があった場合は、早めに解決しておくことが必要です。信用情報に問題がないことが、スムーズな融資実行に繋がります。

審査に落ちる理由とその対策

審査に落ちる理由としてよくあるのは、事業計画書の内容が不十分だったり、信用情報に問題があったりする場合です。これらの問題を避けるためには、事前に計画書をしっかりと作成し、信用情報に問題がないかを確認しておくことが重要です。また、商工会から推薦をもらうことも審査を有利に進めるためのポイントです。

マル経融資を活用して事業拡大を目指す

マル経融資は、低金利で高額な融資を受けることができ、経営改善のサポートも受けられる魅力的な制度です。事業の運転資金や設備資金を調達するために非常に有効な方法ですが、審査には時間がかかるため、早めの準備と計画的な対応が求められます。

もし、資金調達に困っている、事業を拡大したい、経営を改善したいと考えているのであれば、マル経融資を活用して、事業をさらに成長させることができるかもしれません。

この制度をうまく利用し、安定した事業運営と成長を目指しましょう。