■はじめに

「補助金を使いたいけれど、どれを選べばいいかわからない」
という経営者は多いものです。
国や自治体では、毎年100種類以上の補助金が公募されていますが、
自社に合った制度を選ばないと採択されにくく、効果も半減します。

この記事では、2025年度に中小企業が使いやすい主要5つの補助金を目的別に整理しました。


■1.ものづくり補助金(製造業・設備投資・開発向け)

生産性向上や新製品開発を目的とした中小企業の代表的な補助金。
試作、工程改善、IoT導入などにも対応します。

項目内容
対象製造業、建設業、食品、金属加工、機械組立など
補助上限750万円(一般枠)〜2,000万円(グローバル枠)
補助率中小企業:1/2(小規模事業者:2/3)
公募時期年3〜4回(例:3月、6月、9月、12月)
ポイント「革新性」と「波及効果」が審査の鍵

💡例:

  • 新型レーザー加工機の導入による精度向上
  • IoT連携による生産管理効率化
  • 自社製品の試作・テスト開発

■2.省力化投資補助金(自動化・人手不足対策)

2025年より本格始動する新制度。
“人手不足解消”を目的に、自動化設備・ロボット導入を支援します。
カタログ登録製品に限らず、オーダーメイド設備も対象になる「一般型」が注目です。

項目内容
対象製造業、物流、建設、サービス業など
補助上限一般型:1,000万円/カタログ型:500万円
補助率中小企業:1/2、小規模事業者:2/3
公募時期年3〜4回(初回は2025年春頃)
ポイント「省人化効果」「生産性向上効果」を定量的に説明すること

💡例:

  • AI検査装置の導入で検品時間を半減
  • 自動搬送ロボットの導入による倉庫作業効率化

■3.小規模事業者持続化補助金(販路開拓・営業強化)

商工会・商工会議所がサポートする、最も申請しやすい補助金。
販促・新商品PR・ホームページ制作など、営業活動の強化に最適です。

項目内容
対象小規模事業者(製造・建設:20名以下、サービス:5名以下)
補助上限50万〜200万円(特別枠あり)
補助率2/3(賃上げ・インボイス特例で3/4)
公募時期約3か月ごとに年4〜5回
ポイント「販路開拓のストーリー」が重要

💡例:

  • ECサイト制作によるオンライン販売強化
  • 展示会出展・パンフレット作成
  • 店舗リニューアルによる新規顧客獲得

■4.IT導入補助金(DX・業務効率化)

クラウドツールやシステム導入を支援する補助金。
販売管理・勤怠・会計などの業務DX化が対象です。

項目内容
対象全業種(製造・建設・小売・サービス)
補助上限350万〜450万円
補助率ソフト:1/2、ハード含むパッケージ:1/3
公募時期通年(随時公募)
ポイント登録された「ITツール」から選定する必要あり

💡例:

  • 顧客管理(CRM)システムの導入
  • クラウド会計・電子契約の導入
  • 勤怠・給与の自動化によるバックオフィス効率化

■5.新事業進出補助金(新規事業・多角化支援)

2024年度から新たに登場した**ポスト「事業再構築補助金」**です。
既存事業の強みを活かして新たな分野に挑戦する企業を支援します。
建設業・製造業などの事業転換や、観光・宿泊などへの進出も対象です。

項目内容
対象新分野進出・業態転換を行う中小企業
補助上限1,000万円〜5,000万円(枠により異なる)
補助率中小:2/3
公募時期年2〜3回
ポイント「新分野の実現性」「収益計画の妥当性」が評価対象

💡例:

  • 建設会社が「グランピング施設」を開業
  • 製造業が「加工品販売事業」へ進出
  • 飲食業が「冷凍食品ブランド」を立ち上げる

■主要補助金の比較表(2025年度版)

名称補助上限補助率主な目的難易度
ものづくり補助金750万〜2,000万円1/2〜2/3設備投資・開発★★★★☆
省力化投資補助金500万〜1,000万円1/2〜2/3自動化・人手不足対策★★★★☆
小規模事業者持続化補助金50万〜200万円2/3〜3/4販路開拓・営業強化★★☆☆☆
IT導入補助金350万〜450万円1/2〜1/3DX・業務効率化★★☆☆☆
新事業進出補助金1,000万〜5,000万円2/3新分野進出・業態転換★★★★★

■まとめ

2025年度は、補助金制度が大きく整理され、
省力化投資補助金」と「新事業進出補助金」が大きな柱になっています。

  • 設備導入・開発 → ものづくり補助金
  • 自動化・人手不足対策 → 省力化投資補助金
  • 販路開拓 → 小規模事業者持続化補助金
  • DX化 → IT導入補助金
  • 新分野進出 → 新事業進出補助金